Vol.1【鏡の中のワコ】エピソード4
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正直言って僕はワコが何者だったのかはあまり覚えていない。
苗字も漢字で書いた名前も、親がどんな顔をしていたのかも、どんな家に住んでいたのかも覚えていない。
覚えているのは少し変わった性格、そして異常なほどの昆虫好きであったということだけだ。
公園や教室など彼女は場所を選ばずに、いつも様々な虫を捕まえては僕に向かって投げつけていた。
僕はそういった虫達の、人間とはかけ離れた外見がこの世で一番苦手だった。叫び声を上げ、その場で啜り泣きをするかトイレに逃げ込むか、どちらかの行動を取るのがよくあるパターンだった。
ワコはそんな僕を見ると腹を抱えて笑っていたが、その度に彼女は担任の教師を始めとした周囲の大人達に長時間叱られ、僕と仲直りをする誓いをさせられていた。これは当時ほぼ毎日の話である。
苗字も漢字で書いた名前も、親がどんな顔をしていたのかも、どんな家に住んでいたのかも覚えていない。
覚えているのは少し変わった性格、そして異常なほどの昆虫好きであったということだけだ。
公園や教室など彼女は場所を選ばずに、いつも様々な虫を捕まえては僕に向かって投げつけていた。
僕はそういった虫達の、人間とはかけ離れた外見がこの世で一番苦手だった。叫び声を上げ、その場で啜り泣きをするかトイレに逃げ込むか、どちらかの行動を取るのがよくあるパターンだった。
ワコはそんな僕を見ると腹を抱えて笑っていたが、その度に彼女は担任の教師を始めとした周囲の大人達に長時間叱られ、僕と仲直りをする誓いをさせられていた。これは当時ほぼ毎日の話である。
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公開:22/05/31 20:00
更新:22/05/30 22:00
更新:22/05/30 22:00
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