Vol.1【鏡の中のワコ】エピソード2
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僕はこの家に父親と弟(それもとても生意気な)の三人で暮らしている。彼女が現れるようになってから半年以上が経ったものの、僕以外の家族には見えていないようだったし、何度か訪れた来客達も同様だった。
ちなみに幽霊となった彼女が何を考えているのかは全く分からない。僕は何度か試しに話かけてみたのだが、僕の言葉に彼女が何らかのリアクションをしたことが一度もなかった。
機嫌が悪くなり、僕が彼女に向かって汚い言葉や切り裂くような悪口を含めた罵声を浴びせてしまった時もあった。その時も彼女は動揺一つ見せず、鏡の中でうろうろ歩き回っては興味津々に僕を見つめていた。まるで何も考えておらず、何も聞こえていないかのように。
罵声を出し切り、疲れ果てた僕はそんな変化の無い彼女を見つめている内に、息苦しくなるほどに泣いていた。よっぽど自分が情けなく感じたのだろう。
ちなみに幽霊となった彼女が何を考えているのかは全く分からない。僕は何度か試しに話かけてみたのだが、僕の言葉に彼女が何らかのリアクションをしたことが一度もなかった。
機嫌が悪くなり、僕が彼女に向かって汚い言葉や切り裂くような悪口を含めた罵声を浴びせてしまった時もあった。その時も彼女は動揺一つ見せず、鏡の中でうろうろ歩き回っては興味津々に僕を見つめていた。まるで何も考えておらず、何も聞こえていないかのように。
罵声を出し切り、疲れ果てた僕はそんな変化の無い彼女を見つめている内に、息苦しくなるほどに泣いていた。よっぽど自分が情けなく感じたのだろう。
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公開:22/05/30 21:50
更新:22/05/30 21:59
更新:22/05/30 21:59
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