神の気まぐれ

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思い通りにいかないことだらけ。私には才能がない。音大に入って周りの皆は、次から次へとコンテストで入賞を果たしている。なのに私だけパッとしない。音楽を好きな気持ちだけは誰にも負けなくて、親に土下座して音大に通わせてもらった。なのに結果が出ない。この様だ。

神様――。
私に力を貸してください。

そんな強い思いを抱きながら次のコンテストに望んだ。しかし結果は残せなかった。またダメだった。
神様なんていない。この世は残酷なんだ。
「あー、もしもし。そこの」
「えっ?」
帰りの支度をしていると、コンテスト会場で話しかけられた。
「ワシは神じゃ。コンテストで優勝させてやろうか?」
「いや、もう終わりましたよ。まあ優勝できるならしたいですけどね」
何だろう。このお爺さん。サラッと受け流してさっさと帰ろう。
「只今のコンテスト、ミスがありました。優勝は……」

私だった。私は神の気まぐれで優勝した。
公開:22/05/27 08:50

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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