ギター少女

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街は静けさが漂う。夜の心地良い風が肌に当たりながら、仕事帰りのサラリーマン達が行き交う。路上に一人の少女がいた。彼女はアコースティックギターを片手に持っている。そしてギターを演奏しながら歌い出した。路上ライブだ。誰も気に留めない。誰一人として彼女の演奏に足を止める者はいない。だが彼女は歌い続けた。誰かが足を止めてくれるまで歌い続けた。そして一人のサラリーマンが足を止めた。
「ありがとうございます。次はオリジナル曲をやりたいと思います。聞いてください。優しくして」
その曲の歌詞は、男に大切にされない女が優しくして欲しいという気持ちを書いた曲だった。その歌詞に立ち止まっていた男は、すぐにスマホで誰かに連絡を取っていた。
「もしもし。……いつもありがとう」
電話の相手はサラリーマンの妻だった。
「どうしたの?いきなり」
「いや、ふと急に言いたくなって」
彼女の歌は、人の心を掴み、変えていく。
公開:22/05/29 09:33

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
https://novelchan.novelsphere.jp/38739/

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