戻れなかったウルトラマン

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「何だこれ?」

それは胴回りの太い万年筆のようなものであった。

「ペン先がないな。ペンライトかな?」
「なんすか、それ?」
「カチッ」

急に後ろから声をかけられ、びっくりしてスイッチを押してしまった。

「ジュワァッ」

激しい光で目をつぶった。
恐る恐る目を開くと『10』の文字が見えた。
マンションの外階段に表示されていた。

「キャー」
「パンッ、パンッ、パンッ」

逃げ惑う悲鳴が響き、足が蜂に刺されたように痛い。
下を見ると自分は全身銀色になっており、レゴみたいな警官が発砲している。

「やめてくれっ!」

胸の前で両腕をクロスさせてバツを作った刹那、青白い光が走った。
その先でマンションが燃えている。

「なんなんだ、これは…」

まるでウルトラマンみたいではないか。

「早く元の姿に戻らないと…。あれっ、どうやったら元の姿に戻れるんだ?」

胸のボタンが赤く点滅しだした。
その他
公開:22/05/24 19:39

ひろいてん

面白そうなので参加してみました。

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