家族会員証

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俺達は家族だ。といっても本当に血が繋がっているわけではない。親戚でもない。全くの赤の他人だ。だが俺達は血よりも強い絆で結ばれている。だから俺達は家族だ。その証に家族会員証を首からぶら下げている。これを持っている者は皆、家族だ。家のチャイムが鳴り、俺が出ていく。ドアを開けるとそこには、一人の男が立っていた。

「うちの家族……じゃないよね?見た事がない顔だ」
「今日から家族になった者です。ほらこれ。家族会員証」
「今日からうちの家族に?聞いてないけど」
「私の立ち位置は、末の弟って事でいいんですかね?」
「まあ新しく家族になるならそうなるな」
「父の紹介で来たんです」
「ん?親父の?そうか。ならいい」

こうして俺に弟が出来た。父の紹介で、しかも家族会員証を持っているなら家族だ。この家に住む権利がある。

ここはシェアハウス。家族のように温かい雰囲気を目指すという方針の家だ。
公開:22/05/22 09:01

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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