偽りの食欲
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博士は日課の散歩中に、大通りに面したファミレスに目が留まった。中を覗くと大きな窓越しに巨漢が食事をしていた。食べているものをチェックすると、ホットケーキ、ドーナッツ、パフェ、ケーキ・・・。
(これは凄い、食べているというよりは胃に送り込んでいるようだ)
博士は居ても立っても居られなくなり、気付けばファミレスの中へ吸い込まれていた。
間髪入れずに、巨漢に話しかけた。
「あなたは、本当は食べたくないはずなんです。でも、脳の中の白い悪魔にハックされているんです。これでは、食欲は満たされない。エンドレスゲームですよ。」
巨漢は振り向いた。
「次の食事からは炭酸水を飲みなさい。次にゆで卵、鶏のささみ肉を食べなさい。継続すれば、きっと白い悪魔を退治できるでしょう。」
博士は満足げにその場を去っていった。
巨漢はキョトンとしていたが白い悪魔の食事は続いた。
(彼は私の研究対象にふさわしい)
(これは凄い、食べているというよりは胃に送り込んでいるようだ)
博士は居ても立っても居られなくなり、気付けばファミレスの中へ吸い込まれていた。
間髪入れずに、巨漢に話しかけた。
「あなたは、本当は食べたくないはずなんです。でも、脳の中の白い悪魔にハックされているんです。これでは、食欲は満たされない。エンドレスゲームですよ。」
巨漢は振り向いた。
「次の食事からは炭酸水を飲みなさい。次にゆで卵、鶏のささみ肉を食べなさい。継続すれば、きっと白い悪魔を退治できるでしょう。」
博士は満足げにその場を去っていった。
巨漢はキョトンとしていたが白い悪魔の食事は続いた。
(彼は私の研究対象にふさわしい)
ファンタジー
公開:22/05/22 07:00
産婦人科専門医/指導医
@sanadakuma
tama-himawari3w.com
身体は日々の食事で出来ている。
妊婦さんにも食事の重要性について情報提供しています。
ダイエット中の方々にも食事・睡眠・運動の重要性について情報発信しています。
自身が「愛着障害」であることに気付き、もう一人の自分と上手に共生しています。
自分が、自分の『安全基地』になることが生きていくための拠り所なのかもしれない。
科学的な視点からの表現も交えて、ショートショートストーリーを作っています。
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