ため息

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ため息で幸せが逃げるならば、この世界は不幸で満ち溢れているだろう。

俺は深くため息をついた。心配事があるからだ。母親が病気で入院し、とてつもなく忙しい毎日を送っている。学校に部活に家事に母のお見舞い。やる事が多すぎてため息がこぼれる。

母は凄いという事を改めて思った。毎日の家事がこんなに大変な事なんだと思い知らされた。最初は何もできなかったが、病室にいる母からやり方を聞いてなんとかやってこれた。まだ小さい弟もいるから、俺がやるしかなかった。母は過労らしい。一週間も入院して休めば大丈夫らしいが、今まで無理をさせていたのだと思うと、また俺の口からため息が出た。

母の病室に行って近況報告をする。すると母は、ありがとうと褒めてくれる。そして俺は、またため息をついた。

「ため息はね。頑張ってる証拠。ため息を出すのはストレス解消になってるんだって。悪い事じゃないんだよ」

そう言ってくれた。
公開:22/05/21 10:09
更新:22/05/21 12:00

富本アキユ( 日本 )

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・作詞を担当
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