私の昔話。先生の今話。

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子供の頃、私は硬筆教室に通っていた。
あの頃の教室は非常にザルで開始時刻も教室に行く日も決まっていなかった。上級生から下級生まで皆同じ教室で好き勝手字の練習をしていた。自由な教室が好きだった。
だが優しいお婆ちゃん先生が急病で一時期来れなくなった。
代わりに来た先生は厳しく、不自由を強いられる教室にすぐに嫌気がさした。行く気がなくなった。
そんなある日の事だ。
「代わりに行ってもいい?」と聞いてきた相手に私は硬筆道具一式を渡し、遊び惚けた。
そんな遊んでいるところを親に見つかった私は硬筆教室を辞めさせられた。元々行く気がなかったからせいせいしたよ。
ただ、硬筆道具一式を返してきた相手は寂しそうだった。
だから私は道具一式をあげた。もういらないものだから。

先日、お婆ちゃん先生と偶然再会した。
先生は私を見て「貴方の代わりに教室に来てた狐さん。今では先生をやっているわよ」と教えてくれた。
公開:22/05/18 20:30

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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