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ある有名な老作家が20年ぶりに新作を発表するという。タイトルは「あ」その作品は月刊の文芸誌に全文公開されるという。ファンは色めき立った。そしてその文芸誌の発売日。「あ」を早く読みたいファンは書店に押し寄せた。そして中身を確認して愕然とした。タイトルの「あ」が有名な書道家の字で書いてある。ページをめくる。するとそこには「あ」の1文字。それだけ。どういう事か?出版社に電話が殺到した。マスコミも騒ぐ。そしてその日の夕刻、その作家の訃報が届く。末期の癌だったらしい。彼は遺言を遺したと言う。彼のマネージャーが会見を開いた。遺言を読み上げる。「私の作家人生で最後にして最高傑作を皆さん、ご堪能あれ」これは、世紀の名作か?それとも悪い冗談か?皆が頭を悩ませる事となった。
その他
公開:22/05/20 17:54

ソフトサラダ( 埼玉 )

時折、頭をかすめる妄想のカケラを集めて、少しずつ短いお話を書いています。コメントは励みになります。

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