メモリー

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あの頃の話ばかり嬉しそうにして、君は未来の事を考えているの?
まあ昔が懐かしくなる気持ちはわかるけどね。でもそれは、年寄りの特権にした方がいいんじゃないかな。過去の思い出よりも大事なのは、これからの未来だよ。

願い事はたった一つ。
遠く遠く。どこまでも遠くへ行く事。
世界の果てを見たい。一番遠い所は、どうなっているのかをね。
そう語っていた君は、いつも輝いていた。
坂道をダッシュで一気に登っていく。上まで行くと息切れして苦しいはずなのに、どこまでも澄み渡った雲一つない晴れた青空を見ると、不思議と疲れている事も忘れてしまう。

ところで君は誰だい?
分からない。君の名前が思い出せない。
こんなにも鮮明な思い出の記憶があるのに、君の名前を思い出せない。

「ねえ。君の名前を教えてよ」

僕は目の前にはいない、僕の記憶の中の君に問いかける。
そっか……。記憶喪失の僕は、君の事も分からないんだ。
公開:22/05/16 09:57

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

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ブラウン・シュガー
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