羽と翅Ⅴ
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彼女が寝そべっていた小枝を“パキパキッ“と音を立てて揺らすと、精霊を乗せたまま枝ごと尖った嘴(くちばし)で端折って、くわえ上げました。朱色のマフラーが特徴のコシアカツバメの雄がコリーナを睨んでいます。
「おい。そこのマンダリンの眼(まなこ)の妖精!今。風を起こしたのはお前の仕業か」
真近に迫る、その渡り鳥の尾は取り分け胴体と同じくらい、いやそれ以上の長さの二割れのテイル(尾)が映えさらに濃紺の光沢した翼を目一杯に広げて、鋭い視線でコリーナを脅しましたが、怯む風の精霊ではありません。「あなたには私が視える?私こそは四精霊の一柱、風のコリーナよ。通りすがりの渡り鳥ども、何処へ遊びに行く?」彼女は自分以外の誰かに姿を視られてはならない掟もすっかり忘れて、とんだ、ハプニングだと、はしゃいでいました。「しっ!たまげた子供だな、遊びじゃないぜ。俺も初めて視たさ。ほどほどにしとけよ。半妖精」 *次回6月
「おい。そこのマンダリンの眼(まなこ)の妖精!今。風を起こしたのはお前の仕業か」
真近に迫る、その渡り鳥の尾は取り分け胴体と同じくらい、いやそれ以上の長さの二割れのテイル(尾)が映えさらに濃紺の光沢した翼を目一杯に広げて、鋭い視線でコリーナを脅しましたが、怯む風の精霊ではありません。「あなたには私が視える?私こそは四精霊の一柱、風のコリーナよ。通りすがりの渡り鳥ども、何処へ遊びに行く?」彼女は自分以外の誰かに姿を視られてはならない掟もすっかり忘れて、とんだ、ハプニングだと、はしゃいでいました。「しっ!たまげた子供だな、遊びじゃないぜ。俺も初めて視たさ。ほどほどにしとけよ。半妖精」 *次回6月
ファンタジー
公開:22/05/20 11:00
更新:22/05/19 19:30
更新:22/05/19 19:30
風の精霊 コリーナ
燕の首長
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