天使の歌声 8

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天使の歌声を聞けるんだ。薬の調合なんてお安い御用さ。
あー、でもあの魔女には怒られるかね。まあどうにかなるだろう。あれとはもう百年以上の長い付き合い。古い知人だし。ヒヒッ、今日も特別席で天使の歌声を堪能するとするかね。
今日も二人の歌姫のハーモニーが公演を盛り上げる。

「ほう。姉のクレアの方は、演奏しながら歌えるようになったんだね。ヒヒッ、器用だねえ。声を失ってから更に成長したね。まだまだこれから歌姫としてレベルが上がっていくね。今から楽しみだ」

そこに現れたのは、声を奪った魔女だった。
「なぜだ!?なぜ声が戻っている。私が奪ったはずなのに。あの歌声は私だけの物だったのに」
「ヒヒッ。残念だったねえ。歌声ってのは、独り占めするものじゃない。皆で楽しむ為のものさ」
「白き魔女。お前の仕業か」
「ヒヒッ。さあね。私とやり合うかい?」
「やめとこう。お前とは百年経っても決着が付かないからな」
公開:22/05/16 18:17

富本アキユ( 日本 )

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Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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