天使の歌声　６

「私はね、あなた方の公演を見て思ったんだよ。クリスさんも歌えたら二人で、それはもう美しいハーモニーを奏でられるのになと。そう思ったわけ」
「ありがとうございます。ですがそれは夢物語です」
「いやいや。夢物語ではないんだよ。歌声を取り戻せばいい」
「あるんですか？そんな方法が！？魔女は何度言っても歌声以外のものでは、首を縦には振りませんでした。無理なんですよ・・・」
「そうだねえ。あの魔女は頑固だ。だから声を返してくれる事はないでしょうよ。でも別の方法があるんだよ」
「教えて下さい！！どんな方法なんですか？」
「クリスさんの歌声を複製して、クレアさんの声にするんだよ。双子のあなた方だからこそ出来る方法さ」
「それはどうすればいいのですか？」
「この薬を使いなさい。私のとっておきの秘薬です。これをクレアさんに飲ませるのです」