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人間というものは本当に欲が深い生き物だ。
その欲はどこまでも果てしなく、時にはその身を滅ぼしてしまうこともあるだろう。
ほら、ここにも欲に取りつかれた人間が一人。

「しわが消えない。あの頃に戻りたい。」
「お前さんお前さん。いい物があるよ、ちょっと見ていかないかい?」
街を歩いていると、露天商のお婆さんが声をかけてきた。
「何よあなた。」
突然話しかけられた私は嫌な表情を全く隠していなかった。
「私はしがない露天商さ。お前さんにはこの懐中時計がおすすめさ。」
露天商が紹介してきたのは何の変哲もない時計だった。
「この時計に強く念じながらネジを回してごらん。お前さんの記憶しているその姿に完全に戻ることができるよ。」
まあでもよくよく注意しな、そういう老婆からかなり安く時計を買った私は、すぐにあの頃の姿を強く思い描いた。
くるり
「あたし、ここで何しているんだっけ?あれ?学校は?」
SF
公開:22/01/10 18:00

ハル・レグローブ( 福岡市 )

趣味で昔から物書きをのんびりやってます。
過去に書いたもの、新しく紡ぐ言葉、沢山の言の葉を残していければと思います。
音泉で配信されているインターネットラジオ「月の音色 」の大ファンです。

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