疲れ気味のSS作家

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「お前は、何が書きたいんだ?」 鏡の自分に話しかける。
「やあ、ご苦労さん、頑張ってる?」 鏡の自分は微笑を浮かべ話し始めた。
止めときゃよかった。
「そんなに怖がるなって、で、書きたいジャンルとかあるの?」
「いや、」
「じゃあ、この話、ホラーにするにはどうしたらいい、俺がどうなればいい?」
「そうだなぁ、鏡から出て来た俺の代わりに、俺が鏡に閉じ込められる、とか」
「おーっ、怖いな、じゃ、コメディにしてみようか」
「うーん、鏡の自分と喋っていると思ってたら、実は妻が足元で喋っていた、とか」
「ほっほ、なかなか良いじゃないか、じゃ、泣ける話、いってみようか」
「えっと、鏡の自分と話してたら、段々と顔が死んだ父親になっていき、励まされる、とか」
「うんうん、そこそこ書けそうじゃない、顔でも洗って、また頑張るのよ」
洗面台に目を落とすと、ハンドソープに隠れようとする、小さな女の子が見えた。
ホラー
公開:22/01/09 18:00
鏡 作家

ちさとりゅうじ( 神奈川 東京 )

YouTube「ちさとりゅうじチャンネル」
始めました。
少し長めのショートショート置いてあります。 現在、お休み中です。
書き散らかしています。 研究研鑽中につき、ご勘弁下さい。 コメントには必ず返信するつもりでいます。 私のは気にしないでください^_^

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