ある人形の話
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                                「はい、あけましておめでとう。これ、お年玉ね」
「わーい!ありがとう!!」
ああ、ついにこの時が来てしまった。
私は人形。あの子が産まれた時にプレゼントされた、お世話人形。
でも、時が経つにつれ、私はどんどん古びてボロボロになった。あの子はどんどん成長して、今じゃすっかりおしゃまな小学生。
「これで新しいおもちゃを買うの!」
お年玉を貰う前から、ずっとそう言っていたの。時代遅れの私はもうお払い箱ね。
「ただいま!さぁ、お着替えの時間ですよ!」
初売りに出掛けていたあの子が大きな荷物を抱えて来たと思ったら、突然そう言って、私に綺麗なドレスを着せてくれた。
「買えて良かったわねぇ。最後の1つだったって」
「うん!新しいおもちゃのお洋服!すっごくすてき!!」
私は人形。泣くことなんて、有り得ないのだけど…
今だけ、少しだけ、泣きたくなったのはナイショの話。
    「わーい!ありがとう!!」
ああ、ついにこの時が来てしまった。
私は人形。あの子が産まれた時にプレゼントされた、お世話人形。
でも、時が経つにつれ、私はどんどん古びてボロボロになった。あの子はどんどん成長して、今じゃすっかりおしゃまな小学生。
「これで新しいおもちゃを買うの!」
お年玉を貰う前から、ずっとそう言っていたの。時代遅れの私はもうお払い箱ね。
「ただいま!さぁ、お着替えの時間ですよ!」
初売りに出掛けていたあの子が大きな荷物を抱えて来たと思ったら、突然そう言って、私に綺麗なドレスを着せてくれた。
「買えて良かったわねぇ。最後の1つだったって」
「うん!新しいおもちゃのお洋服!すっごくすてき!!」
私は人形。泣くことなんて、有り得ないのだけど…
今だけ、少しだけ、泣きたくなったのはナイショの話。
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      公開:22/01/07 11:51      
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