虹を描く
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手芸屋で使う当てもないのに、大きな虹の柄の生地に一目惚れしてしまい、ミニトートバッグの型紙と一緒に買う。ミシンは家庭科の実習以外でやったことがない。上手く作れるだろうかと不安がっていると、店員が初心者向けの講習会を勧めてくれ、それに出てみることにした。
講習会は初心者向けらしくミシン糸を通すところから始まった。一番後ろで四苦八苦している老婦人がいて、声をかけると目が悪くてねえ、と笑う。その笑い方がとてもチャーミングだった。
「こんなの魔法だったら一振りなのにねえ」
老婦人の独り言に驚いて振り向く。ミシン針の穴が一瞬大きくなり、シュルシュルと糸が通った。
「ヒミツよ?」
老婦人が軽快な音を立てて縫う糸は七色に光り、まるで虹の様なカーブを描いていた。
「縫い目が大きく外れましたね」
「あらま」
様子を見にきた講師が絶句していた。
講習会は初心者向けらしくミシン糸を通すところから始まった。一番後ろで四苦八苦している老婦人がいて、声をかけると目が悪くてねえ、と笑う。その笑い方がとてもチャーミングだった。
「こんなの魔法だったら一振りなのにねえ」
老婦人の独り言に驚いて振り向く。ミシン針の穴が一瞬大きくなり、シュルシュルと糸が通った。
「ヒミツよ?」
老婦人が軽快な音を立てて縫う糸は七色に光り、まるで虹の様なカーブを描いていた。
「縫い目が大きく外れましたね」
「あらま」
様子を見にきた講師が絶句していた。
ファンタジー
公開:22/01/06 18:11
更新:22/01/06 18:43
更新:22/01/06 18:43
魔法
ミシン
虹
色の日
1月6日
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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