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1ヶ月ぶりに市民プールに来た。今日は「仮面プールの日」。その名の通り仮面の着用が義務付けられているイベントだ。
カナヅチの私は、初心者用の浅いプールに入った。周りは子どもばかりだが、こうして顔が隠れていれば気にならない。
早速クロールに挑戦するも、足から沈没していく。懸命にもがいていると、両手が何かに包まれた。水上に顔を出すと、そこには仮面をつけた男性がいた。鎖骨の傷が目に入る。
「手、持つから。バタ足に集中」
は、はい!と返事して、泳ぎを再開。両手を持ってもらっているという安心感からか力が抜ける。自分の身体がぷかりと浮かぶのが分かった。
その後も彼はつきっきりで教えてくれ、やっとクロールらしきものができてきた。浮かれる私に
「やったね」
とハイタッチして、彼は去って行った。
その翌日から、私は毎日プールで鎖骨に傷のある人を探している。素顔の彼に会い、上達したクロールを見てもらうために。
カナヅチの私は、初心者用の浅いプールに入った。周りは子どもばかりだが、こうして顔が隠れていれば気にならない。
早速クロールに挑戦するも、足から沈没していく。懸命にもがいていると、両手が何かに包まれた。水上に顔を出すと、そこには仮面をつけた男性がいた。鎖骨の傷が目に入る。
「手、持つから。バタ足に集中」
は、はい!と返事して、泳ぎを再開。両手を持ってもらっているという安心感からか力が抜ける。自分の身体がぷかりと浮かぶのが分かった。
その後も彼はつきっきりで教えてくれ、やっとクロールらしきものができてきた。浮かれる私に
「やったね」
とハイタッチして、彼は去って行った。
その翌日から、私は毎日プールで鎖骨に傷のある人を探している。素顔の彼に会い、上達したクロールを見てもらうために。
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公開:22/01/06 19:00
更新:22/01/06 18:46
更新:22/01/06 18:46
まちがいナイトプール
ぱちゃぱちゃ
落語とか漫才とかが好きなので、クスッと笑えてオチが綺麗なものを書こうと頑張っています。
よろしくお願いします。
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