全裸探偵

事件現場にやって来た新米刑事山本の目の前で見慣れない男がいた。誰だろう。あれは。警察関係者じゃなさそうだが……。

すると男は、突然自分の服に手をかけて服を脱ぎだした。そして全裸になった。

「えっ！？ちょ、ちょっと！！あんた何やってるの！！」

しかし声をあげたのは、山本一人だけだった。他の警察関係者は、誰一人として男が服を脱いでいる事に対して何も言わない。

「ん？ああ、そういえばお前はアイツ見るの初めてだったか」
「ええ。何をやってるんですか」

ベテラン刑事の佐々木が山本に声をかける。

「奴は探偵だ」
「探偵ですか？いや、探偵でもどうして服を脱ぐんですか」
「奴は全裸になると感覚が研ぎ澄まされて推理力が１０倍になる全裸探偵だ」
「公共わいせつ罪で捕まえましょうよ」
「いや、それがな。奴の事件解決率は１００％。天才肌ならぬ天才裸だ」

これが山本と全裸探偵、最初の出会い。