真っ白な切手
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「先輩、郵便番号未記入のハガキの中にこんなのがあったんですけど」
住所も未記入で、模様や金額の書いてない真っ白な切手が貼ってあった。
「あー、これな。あの世への手紙だ」
「え、あの世?それってどうするんですか」
「あそこに七色の集配箱があるだろ、あそこに入れておけ」
言われたとおりに部屋の隅にある七色の箱にハガキを入れる。中には同じように真っ白な切手を貼った手紙が何通か入っていた。
「これ、どうするんですか?」
「どうもしないよ。いつの間にか空になってるんだ。誰か配ってるんだろう」
「え、だって宛先書いてないですよ」
「そんなの必要ないんだろ」
その晩、雨が降った。一晩中降り続いた雨は朝の通勤時間帯にやっと止み、朝日の中、虹が輝いた。
「あっ、先輩。あの箱の中が空っぽです」
「やっぱりそうか。虹が出ると空になるんだよな」
虹を渡って配達に行くのか。ちょっとやってみたいな。
住所も未記入で、模様や金額の書いてない真っ白な切手が貼ってあった。
「あー、これな。あの世への手紙だ」
「え、あの世?それってどうするんですか」
「あそこに七色の集配箱があるだろ、あそこに入れておけ」
言われたとおりに部屋の隅にある七色の箱にハガキを入れる。中には同じように真っ白な切手を貼った手紙が何通か入っていた。
「これ、どうするんですか?」
「どうもしないよ。いつの間にか空になってるんだ。誰か配ってるんだろう」
「え、だって宛先書いてないですよ」
「そんなの必要ないんだろ」
その晩、雨が降った。一晩中降り続いた雨は朝の通勤時間帯にやっと止み、朝日の中、虹が輝いた。
「あっ、先輩。あの箱の中が空っぽです」
「やっぱりそうか。虹が出ると空になるんだよな」
虹を渡って配達に行くのか。ちょっとやってみたいな。
その他
公開:22/01/04 14:56
文章を書くのが大好きです。
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