クレーマーを黙らせる

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「この店の料理は最低だ!中に髪の毛が入っているぞ!」
店内で騒ぐ迷惑客。店長の私はすぐにお客様全員に説明を始める。
「滅相もございません。そもそも当店の料理に髪の毛が入るなど絶対にありえません」
指をパチンと鳴らし、厨房が見えるよう壁を透明化させた。お客様から驚きの声が上がる。
「見ての通り、当店のシェフは全員ロボットです」
料理は勿論、食材の取り出しから皿洗いまで全てロボットが行っている。厨房ではせわしくなくロボットが動き回っている。
迷惑客が顔を真っ赤にした。
「ふざけるな!ここの料理は工場の生産品と同じだ!」
「いいえ、ここのロボットは全員、入院中のシェフが遠隔操作で行っています。当店は近未来モデルのレストランです」
厨房のディスプレイに病床でロボットアームを操作するシェフの姿が映し出される。
呆然とする迷惑客。その顔を私は認証システムに登録し、飲食関係者専用ブラックリストに載せた。
SF
公開:22/01/03 21:04
本当にある技術 本当にある店

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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