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カゴの上は色鮮やかに盛られている。
「いやぁ綺麗ですねぇ」
アシスタントアナウンサーは思わず声を漏らす。
「ねぇ凄いでしょう。集めるの大変だったんだから」
料理研究家は私が集めたんじゃないけどとお茶目に舌を出す。
「先生。今日作る料理は?」
「ほら、もうすぐ食べるアレ。ヒントはお正月はご馳走ばっかりで疲れたでしょう?」
フフと微笑むとアナウンサーは驚く。
「え!?だとしたら全然違いますが…」
「伝統もね。アップデートしないと。今日は超簡単ご飯と一緒に煮込むだけ」
湯気の立つお茶碗が出てくる。赤、黄、紫と色鮮やに彩られている。
「バラ・ビオラ・パンジー・プリムラ・ホウセンカ・ボリジ・ベゴニア 春の七花!」
「七草粥ならぬ七花粥ですか!これら全部春に咲くと?」
「もう貴方、鋭いわね。今は温室があるからそこは良いのよ!」
アナウンサーも苦笑いする。

「じゃぁ訂正。春の七花 改め 映えの七花」
その他
公開:22/01/05 06:49

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

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