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窒息死した男性の遺体を前に溜息を吐く。新年早々仏さんの相手とは嫌になってくる…
だがそれが警察の仕事だ。泣き言は言ってられない。早速捜査を始めよう。
男性は一人暮らし。コロナを危惧し今年も里帰りはしなかったようだ。部屋には鍵がかかっており完全に密室。喉に餅でも詰まらせたのかと思えばそうでもない。
そもそもこの男性、窒息死したにもかかわらず凶器が見つからない。一体どういう事だ?
「警部、鑑識の結果が出ました。どうやらこの方、気を引き締め過ぎて窒息した模様です」
何?そんなバカな死に方があるのか?
「この方、コロナを気にしすぎて随分と息苦しい生活を送っていたようです。その上、新年だからとさらに気を引き締めた事で息が詰まってしまった模様。鑑識の話では毎年、このタイプの窒息は餅を喉に詰まらせる以上に多い事案だそうです」
そう話す若い部下は緊張で少し息苦しそうだ。
お前も少しは気を緩めた方がいいぞ。
ミステリー・推理
公開:22/01/01 20:26

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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