ポスト

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家のポストを開けると、拳銃が入っていた。
「誰がこんな……」
いろいろと考えてみるが、身に覚えがない。
「……そうだ。この拳銃を上手く使えば……」
私はさっそく、上司の家へ向かった。
「忌々しい奴め。いつも私をこき使いやがって。裁きを与えてやる」
そして、上司が家から出てきたところを、ズドンとやった。
「実に気分が良い。これでこれからの仕事もはかどる」

上司が死んでから何日かあとのある日、また家のポストに何か入っていた。
今度は、裁判所からの支払命令書だった。
支払先はあの部長の妻で、どうも保険金がらみのようだったが、その金額を見て驚いた。
私は慌てて裁判所にこんな大金身に覚えのないことだ、といったが何度懇願しても覆ることはなく、私は大金を支払う羽目になった。
なんとか支払える金額だったが、その頃から何故か同僚が親しくしてくれるので、仕事も苦にならず、また上司の妻も厚意にしてくれていた。
公開:22/01/01 18:05

ふじのん

歓びは朝とともにやってくる。

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