覚えなき温もり

0
3

初めましての親戚の赤ちゃんを抱っこする。

命の重さをズシリと二の腕に感じた。

あなたはだーれとキョトンとした顔の澄んだ瞳が私をとらえる。

暫くすると母親を求め腕の中をジタバタともがき始めた。

無事母親の腕の中に戻ると安心を取り戻した様に穏やかになる。

周りの笑顔を紡ぎ出す尊く可愛いその存在は『居るだけで良い』を体現する眩しい光だ。

腕に残る温もりの残り香を感じながらふと思う。

私も赤ん坊の頃、

両親は元より当然亡き祖父母にも抱っこされただろう。

よく考えると年の離れた兄姉にも抱っこされた事だろう。

今は疎遠の親戚にも1度くらいは抱かれた事があってもおかしくない。

それらは記憶としては残っていない。

しかし今の自分が存在する事実が皆に抱っこされる赤子の自分を容易く想像させた。

何かに包み込まれている感覚。

その覚えなき温もりが

時を経て感触として蘇る気がした。
ファンタジー
公開:22/01/03 11:06

吉田図工( 日本 )

まずは自分が楽しむこと。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容