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ぽっかりと森が開けた所に、小さな洋館。 その屋上に、少女と何やら不思議な装置はあった。
「これでね、星の雫を採るの」
大きな器からホースが小瓶に繋がっている。 平たい器に貯められた水が、満天の夜空を写し出していた。 
少女がコックを捻ると、水は小瓶へと流れていく。
瓶の中には水だけでなく、確かに光り瞬く粒が入っていた。
「これは、星なのかい?」
「ううん、星の雫、このお水にお星様の力が溢れてくるの。 今日はね、兵隊さんの星の雫」
「君は、星が見分けられるんだね」
「へへ、ほら少し分けてあげる」
瓶の中で光が踊るように舞っている、見ていると勇気が湧いてくる気がした。
「何故だろう、兵隊さんは星になっても悲しくないのかな?」
「お星様になった人はね、皆、プライドが高いの」
少女は得意気に腕を組んでいた。
ファンタジー
公開:22/01/04 18:00
更新:22/01/03 11:30
星 雫 少女

ちさとりゅうじ( 神奈川 東京 )

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少し長めのショートショート置いてあります。 現在、お休み中です。
書き散らかしています。 研究研鑽中につき、ご勘弁下さい。 コメントには必ず返信するつもりでいます。 私のは気にしないでください^_^

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