一丁締め。パンッ!!

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居酒屋でアイデア収集していた作家志望の女性は、頼んだメニューの焼き鳥1本を食べきらないまま、ノートにネタを書き留める。

言葉やシーン、組み合わせの数々、無我夢中に書きなぐっていた。

そこにどこかの集団の客席から、一本締めが鳴り響く。

パンッ!!

フリーズした。

志望作家の頭の中にあった、まさに今、書き留めようとした言葉やシーンが吹き飛んだ。

彼女はフリーズした。

なんとか単語を思いだし、並べていき、頭の中で再現して、ノートに書き留めようと向き直る。

一本締めが鳴り響いた。
パパパンッ パパパンッ 
パパパンッ パンッ

シャボン玉がランダムに消えていくように、
単語が次々に消えていった。

彼女はフリーズした。
見えない汗が一つ流れた。

「次は、三三七拍子!!」

(ぬぁぁぁぁぁーーー!!)

彼女は髪を激しくかきむしりながら、心の中で雄叫びをあげた。
その他
公開:22/01/02 20:07

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