消えるチョコレート

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 今日は花の金曜日。
俺は浮かれ気分で、1人暮らしの家へと真っ直ぐに駆け抜けていく。

長時間並んで買った人気で貴重なチョコレートを大事に抱えて食卓へまっしぐら。

テーブルにチョコを一端置いて、キッチンからドリンクを取りに行き、戻ってくるとチョコがなくなっていた。

綺麗に包まれていた包装は無惨に破かれ、チョコを食い散らかしたような有り様だった。

「またかーっ」
俺は1人、ショックのあまり大声で叫んだ。

何かが家にいる。

今までにも、買い置きしていたチョコがなくなっていたのだが、ついに買ってすぐなくなるとは。

以来、俺はチョコレートは外で食べて帰るようになり、1週間が経つ。

すると、しょうゆやソース、珈琲の粉など、
黒や茶色い物をチョコと見間違ったのか、撒き散らかされていた。

「チョコ~ チョコを~」

「勝手にチョコを全部食う奴にはやらん」

俺は見えない相手に説教をした。
その他
公開:21/12/31 16:14

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