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「つまり、この古いストップウォッチをスタートして、針がぐるって1周するまで見届けちゃうと、その1分間の記憶が飛ぶってこと?」
「先輩からそーきいた」とUはIの横にくっついて座ると「とにかくやってみよ?」とスイッチを押した。
10,20,30――チチチと秒針が、黙って見つめる二人をよそに時を刻む。
IはUのオカルト趣味には呆れていた。
今度のだってきっと、ボーっと時計を眺めて時間をムダにした誰かさんの冗談が、変な広まり方したとかだ。
それにもし超常現象があったとして、こんな放送室の備品が起こすわけ――いや、でも、まさかね。
51,52,53――
「うそ!」
いきなり声を上げたUは、震える手で時計を止めた。
「どしたん急に?」
「分針が5さしてる……いまスタートしたばっかなのに!」
だが、IもUもまだ気づいていない。これが30分計のストップウォッチであることの指すところを。
「先輩からそーきいた」とUはIの横にくっついて座ると「とにかくやってみよ?」とスイッチを押した。
10,20,30――チチチと秒針が、黙って見つめる二人をよそに時を刻む。
IはUのオカルト趣味には呆れていた。
今度のだってきっと、ボーっと時計を眺めて時間をムダにした誰かさんの冗談が、変な広まり方したとかだ。
それにもし超常現象があったとして、こんな放送室の備品が起こすわけ――いや、でも、まさかね。
51,52,53――
「うそ!」
いきなり声を上げたUは、震える手で時計を止めた。
「どしたん急に?」
「分針が5さしてる……いまスタートしたばっかなのに!」
だが、IもUもまだ気づいていない。これが30分計のストップウォッチであることの指すところを。
ホラー
公開:21/12/30 17:33
更新:21/12/30 17:43
更新:21/12/30 17:43
時計と記憶
ストップウォッチ
月の音色リスナー
エブリスタでも同じ名前で、ショートショートよりかはちょっと長めのを書いてます → https://estar.jp/users/474388634
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