眠れない夜に一服

考え事で頭がフリーズした後、暗い穴から出て来た化け物に、一瞬で、頭を食いちぎられてしまった。
すぐにピョコンと頭を復活させた僕は、タバコを一服つけることにした。
よく分からない、雑多に混ぜ込んだカートリッジの入った缶間から一つ摘み出す。
本当によく分からない怪しげなそれを、電子タバコに付けて吸った。
真っ白な頭の中に、ポツンとピンクの花が咲いた。
花は段々と増えて、お花畑になっていく。　ダメだ、これは。
僕はカートリッジを替えることにした。
今度は、極寒の高山の頂にいる。　いや、寒い、寒過ぎる、何で普段着なんだ？　しかも、さっきの残りか、ピンクの花も咲いている。　これもダメだ！
ヤケクソ気味にまたカートリッジを交換する。
小山で少女が花を持って、踊っていた……。　ダメだな、今日はもう寝よう。
僕はいい夢が見られることに僅かな期待を込めて、枕の下にカートリッジをばら撒いた。