近くて遠い私たち

やっと逢えた。
そばにいるのに条件が揃わないと逢えない。
まるで織姫彦星のよう。
暖冬では会えない。ご主人が家でゴロゴロしていると会えない。
幾日会えるのかもご主人次第。
今年はご主人様、寒い中仕事してたんだ、うれしい。

私と彼は久しぶりの再会に顔を赤らめ、少し熱っぽい。
いつもそばにいにるのに触れることもできない。
でも今日はおしくらまんじゅうのようにぴったんこ。なんだか恥ずかしくてむず痒い。
お互いに、少し太ったね、なんて言い合いながら幸せ太りの喜びを嚙みしめた。

「ああ、冷たい。ああ、痒い」
靴の中で足をモゾモゾ。
「しもやけはマッサージに限る。痛いけど、超気持ちいい～」
湯舟の中でのマッサージは、効果抜群。
「明日の朝は、だいぶ治っているはず」

右足の中指の彼と薬指の私は、明日にはまた近くて遠い関係。