ゆくとし、くるとし

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「もう、儂の寿命は残りわずかか」
今日は12月31日、世界中が新年を迎えつつある中。とある図書館の中で、余命わずかな老人は
そうつぶやく。
震える手で今日起こった出来事を記録していく。

悪戦苦闘して最後の文書を記述したのが、23時40分。
記録帳を大事そうに手に抱えると、地平線の彼方までつづく本棚の中を人間離れした速さで「飛び」。
彼の担当の本棚まで移動する。

2021年と書かれた本棚に彼の最後の記録をうやうやしく収めると、彼の姿はかすれて消えた。

入れ替わりで、新しい若者が図書館に入ってくる。新しい年神である彼は2022年と書かれた本棚から真っ白な記録帳を取り出し、記録を始めた。
ファンタジー
公開:21/12/31 23:05
更新:21/12/31 23:07

ばめどー

ぼちぼちやっていこうと思います。
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