黄昏、重なる。あの人に

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17時。

時計台から鐘の音が2回鳴り響く。その後、オルガンの音で夕焼け小焼けの音楽が街中に響き渡る。

私は街全体が見渡せる場所から、情熱的な夕焼けを眺めながら黄昏る時間がとても大好きだ。

今日は運良く誰もいない時計台で情景を堪能することができた。ただただ音と夕焼け、静かにそよぐ風、植物や動物、人のざわめきが街を包む様を柔らかく眺める。

そして情熱的な夕日を眺めながら、情熱的な性格のあの人が浮かび重なる。

とにかく元気で、周りを引き込み巻き込み、お祭り騒ぎ事件騒ぎ。慌ただしさの中心。

すみっこで物静かに過ごすのが好きな私は、その人が苦手でつい距離を取ったり、避けたりしていた。

けど休み前の金曜日に告白されてしまった。
熱さもあったけど、頼もしそうな、柔らかそうな、そんな暖かさも感じられた。

この夕焼けみたいに。
熱い色のはずなのに、熱さが和らぐ優しいこの感じはなんなんだろう。
公開:21/12/29 00:25

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