きこえる

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出産、妊娠と慌ただしい日々が続く中、やっと主人とふたりきりの時間が取れた。
久しぶりに公園を散歩する。ふと、茂みの中から弱弱しい声が聞こえた。
そこにいたのは一匹の子猫。見るからに弱っていたそれを主人はすぐに病院へと連れて行った。
「この子は心臓に病気を持っていますね…長くは生きられないでしょう。安楽死させますか?」
ゾッとする医者の言葉に首を横に振る主人。治療を施し、子猫を家へと連れ帰った。
私は出来る限り子猫に付き添った。子供達が文句を言うも今はこの子に愛を注いであげたい。
その甲斐あって子猫は元気を取り戻す。だが心臓の病気故か、何度も倒れる。
そして1年も経たず、子猫は旅立ってしまった。
あの子は幸せだっただろうか?もっと出来る事はあったんじゃないか?そう思わない日はない。
子供達に「それはエゴだよ」と言われるも考えてしまう。
だから私は空に吠える。天国にいるあの子に聞こえるように。
公開:21/12/26 21:08
犬の気持ち 母の気持ち

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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