駐仕場

年末年始休暇を前に今、仕事が大忙しだ。飯を食う暇すらない。
そんな気力体力共に限界が近付いている私に同僚が声をかけてきた。
「もうすぐ駐仕場に１つ空きが出る。早く行った方がいいぞ。１時間なら問題ない。飯食ってこい」
ありがたい。私は会社地下のコイン駐仕場に向かうと仕事を止め、外に出る。
ゆっくり食事を味わい、食後の珈琲も楽しんだ。少しだけだが仮眠も取れた。
休憩を終え、駐仕場に戻ると駐仕待ちの後輩がいた。
金を払い、仕事を発進させる。後輩と入れ違いに私は職場に戻った。
心にも余裕が出来たので同僚と軽口を叩きながら仕事を進める。
「そういや部長の仕事ってまだ止まっていたか？」
頷く私に同僚は「あのサボり魔め…」と苦い表情を浮かべる。
今日も部長の姿を見ていない事から多分数日分は仕事を止めている。
腹は立ったが、すぐに私達の追加ボーナス分へと変わる部長の駐仕延滞料金を想像し、同僚と笑い合う。