314. 十プラス

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一人立ちをしたのは十年前のこと。
六年目となる頃念願だった庭付きの戸建てに引っ越した。
わが家の庭を見た通りすがりの人が
「ここで遊んでみたい」
「何だか癒される」
そう思ってくれるような庭作りを目指し最初は一人でことばを蒔いた。
それが少しずつ芽吹き、人に知られ
「何だか面白そう」
と庭作り手伝ってくれる人が徐々に増えていった。
それから四年経つ頃には、人が絶え間なく遊びに来るアドベンチャーガーデンとなった。
だがその頃になると、人が増えすぎたせいで地盤が少し緩み始めた。
マズい、これは早めに対処しないと…。
そこへ車が現れ、運転手は「これをどうぞ」と袋に入ったあるものを置いていった。
それを庭に均一になるように広げ固めると、それはガーデンを一層輝かせる土となった。

俺はマスターにこれまでの苦労と喜びそして来年への期待を話すと、想い出のさざ波に揺られながら「海酒」をぐびりと飲み干した。
ファンタジー
公開:21/12/26 18:26
更新:21/12/26 18:31
#田丸雅智10周年 #10周年祭り #土=十プラス一 #運転手は10さん

ことのは もも。( 日本 関東 )

日本語が好き♡
18歳の頃から時々文章を書いています。
短い物語が好きです。
どれかひとつでも誰かの心に届きます様に☆
感想はいつでもお待ちしています!
宜しくお願い致します。

こちらでは2018年5月から書き始めて、2020年11月の時点で300作になりました。
これからもゆっくりですが、コツコツと書いていきたいと思います(*^^*)

2019年 プチコン新生活優秀賞受賞
2020年 DJ MARUKOME読めるカレー大賞特別賞受賞
2021年 ベルモニー縁コンテスト 入選

 

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