僕のクリスマス、あの子のクリスマス

僕は、この街一番のお金持ちの一人息子。
クリスマスのごちそう、ケーキ、プレゼントは誰よりも豪華で、しかもそれを独り占めできちゃうんだ。
近所の子達は、クリスマスにはいつもより多めのチキンを食べるぐらい、ケーキもプレゼントも、僕のに比べたら全然大したことない。

でも、

「ねーねー、プレゼント交換しよー」
「あとでみんなうちにおいでよ！ママがケーキ作ってくれたの！！」
「行く！」

ごちそうも、ケーキも、プレゼントも。
全然大したことないのに。

「………いいなぁ」

パパもママも、クリスマスの日もお仕事で。
豪華なごちそう、ケーキ、プレゼントに囲まれて独りぼっちの僕。
大したことない、近所の子達のそんな話し声が、やけにキラキラしているのは、何でかなぁ。