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「空いてる?」
「すみません。今混みあってて。相席ならご案内できるんですが、どうでしょうか?」
「それでいいよ」

俺は、今年最後の居酒屋での一人忘年会を楽しもうとやってきた。やはり思った通り、多くの忘年会客らしい人達で店の中はいっぱいだった。

「隣良いかい?」
「どうぞ」

こうして俺は、その男と出会った。男は俺と近い歳で、話しかけると気さくに話してくれた。俺はその男の事が気に入った。

「なぁ。今年も終わりだな。今年は良い事あったかい?」

俺の問いかけに男は、こう答えた。

「うん。まあね。弟に初めての子供が生まれて俺は、叔父さんデビューしたし、まあ色々あった年だったよ」
「そうかい。そりゃ良かったな。俺は……まあ俺も良い年だったさ」

そう。俺にとっても良い年だったさ。
長年、俺の出世で邪魔だった出来る上司を自殺に見せかけて始末できたんだからな。上手くいった。良い年だったさ。
公開:21/12/26 10:15

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
https://youtu.be/OtczLkK6-8c

・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

https://youtu.be/frouU2nCPYI

・魔法のiらんど大賞2021小説大賞。大人恋愛部門「彼女の作り方」が予選通過

〇サウンドノベルゲーム版作品(無料プレイ可)

ブラウン・シュガー
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