トイレの神様

「おん、くろだよう、うんじゃく、そわか」
おまじないを唱え、最後に一輪の花を飾った。
「パララ、パッパ、パーン！」
「うわーっ、なんだ？」
突然鳴り響く大きなファンファーレ。　振り向くと、そこには赤い服のヒゲのお爺さん。
「いや、違うでしょ」
「なんじゃ、せっかく運気を上げてやったのに、その不満そうな顔は」
「だって、トイレの神様って……」
「お前は真言まで唱えとるところみると、あれか、やっぱり、金運アップじゃな」
「何で、サンタなんです？」
「まあ、時期じゃからな。　やっぱり女神のサンタコスプレの方がよかったか？」
「できれば、その方が」
「知っておるか？　美人じゃが、便から生まれるんじゃぞ」
そう言って、神様はズボンを下ろそうとした。
「あー、明王様だけで、十分ありがたいです。　あの、掃除したばかりなんで」
「ほっほ、ほれ、プレゼントじゃ。　トイレ洗剤一年分」
「何か、違うーー！」