折り紙

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年の離れた幼い妹と遊ぶ時には、いつも折り紙を作って遊んでいた。色々なものを折ってあげると、妹は目を輝かせながら喜んだ。そしてお姉ちゃんは凄いんだといつも言って、尊敬のまなざしを受けていた。そんな妹も中学生。反抗期だ。両親に対しての態度が冷たく、難しい年頃になった。私も妹に嫌われるのだろう。悲しいけどこれも妹が大人に近づいている証拠。嬉しい成長じゃないか。そう思っていたが、妹はいつもと変わらず私に懐いていた。

「お姉ちゃん。大学って面白い?」
「うん。面白いよ。自分の好きな事勉強できるし」
「そっかぁ。私も大学行ってみたいな」
「でもその前に高校受からないとね」

妹は、私に対する反抗期はないようだ。

「できた」

ファミレスで料理が運ばれてくるのを待っている間、妹は鶴を折った。昔は鶴を折れなくて泣いてたのに。

「へぇ、成長したじゃん」
「えっ?何が」

そう言いながら私は笑った。
公開:21/12/22 09:05

富本アキユ( 日本 )

カクヨムにも小説を投稿してます。
Twitterは@book_Akiyu

・SSG投稿作品1500作品突破

・作詞を担当
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・葉月のりこ様YouTubeチャンネル『ショートショート朗読ボックス』~ショートショートガーデンより~の動画内で江頭楓様より『睡眠旅人』を朗読して頂きました。

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ブラウン・シュガー
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