天才レディースクリニック

天才が生まれるという、噂のレディースクリニック。
「今年も高学歴、出ました！」
そんな貼り紙がいつもある。
私も当たるといいな、待合室で大きくなってきたお腹をさする。
「あっ、当たったぁーー！」
大きな声で、赤ちゃんのパパが喜んだ。
小さなベッドで寝てる赤ちゃんの足首に「大当たり　大天才」の札がついていた。

先生は私のお腹に機械をあて、赤ちゃんの様子を見ているようだ。
「うん、元気な赤ちゃんだ、女の子ですよ」
良かった。　天才じゃなくても、元気で健康なら、私はそれで十分。
「ほら、こうすると喜んでるでしょう、天才の可能性、ありますよ」
確かに、赤ちゃんはよく動いていた。
「私のショートショートを読み聞かせすると、賢い子が育つんです」
有名な「ひまわり」先生は、言ってくれた。