ブラックホールのその先

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途方もなく長い間、宇宙を旅してきた。地球を出発して何年だろう。コールドスリープを含めると、1000年は経つだろうか。
発明されたばかりの光速の99.8%の速度で飛べる宇宙船の乗組員に志願した。
行ったっきりの戻りなし。太陽系を離れてデータを地球に送るのが目的だ。
もはや情報を電波を送っても、到達までに1000年かかる。もうそんなデータ誰も使わないだろう。
目的地のブラックホールが見えてきた。人生の最後に中心が見たい。科学者の性だ。
宇宙船がブラックホールの重力圏に飛び込んだ。物凄いスピードで中心に吸い込まれる。
船体が回転し始めた。余りの恐怖に失禁してしまう。でも俺は地球代表の科学者だ。意識は失うものか。

スッ、ドーン! 一瞬無重力になったかと思うと物凄い衝撃だ。終わりだ。バラバラになるな…。

気付いたらベッドから落ちていた。
今日は月曜日。学校に行かなくちゃ…。ん? あっ…!
SF
公開:21/12/19 20:28

考える猫

まったりと、つれずれなるままに投稿いたします。

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