灯り売り

「灯りはいらんかね～。灯りはいらんかね～」
私は朝晩関係なくランタン片手に練り歩く。
今の暗い世の中、人々は希望の光を欲しがっている。そんな方々の為に私はランタンの灯りを売り渡る。
借金で首が回らない？金欠病だね。
このランタンの灯りは”病みつき”の闇も明るく照らすよ。どうだい？ウイルスのせいで暗くなった世の中だが足元くらいは照らせるようになっただろう？少なくともこれで一寸先の闇は見通せるよ。
酒やギャンブルと言った悪癖が抜けない？依存症だね。
大丈夫。ランタンの照明で症状を明るく照らしてあげよう。そっちの”やみつき”にもランタンの灯りは効くんだ。
焦らなくても灯りは沢山あるよ。ああ、そこ。独り占めなしないで…って、もう手遅れか。
余計な事を口走って大炎上しているよ。
私は燃え上がる人ごとランタンに閉じ込める。
新しい灯りが手に入った。ちょっと過激なのが玉に瑕だが熱さと明るさは保証しよう。