私立探偵「マメ豆柴」

私立探偵、小豆柴犬のマメちゃんは、今日も縁側の下で、張り込み中です。
「あら、マメちゃん、またどこかに行ったのかしら？」
ママさんの心配そうな声が、ハチ公様譲りの忠犬心を揺さぶる。
しかし、マメちゃんクルクルの尻尾を振りたい気持ちをグッと堪え、任務遂行中だ。
実はマメちゃん、一週間ここで、マメに調査中なのだ。
もう、現場は何度も見ている。
ママさんは、今日も美味しそうなご飯のお皿を持って来た。
「何故だ、何故なんだ」
そして、今日も現れた。
首に鈴のついた赤いネックレス。
「不貞じゃないか、畜生！」
マメちゃんの目に涙が滲む。
「ニャーァ」
「ワォｰﾝ」
マメちゃんは、ささやかに泣いた。