絆創膏
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「いたっ」
指先に痛みが走る。見ると、赤い筋が出来ていた。この時期の悩みの種だ。
「やだなぁ…」
どれだけ薬を塗っても、洗い物をする限り必ず指先が切れる。痛いなぁとぼやきながら、戸棚から絆創膏の箱を取り出した。
「…ん?」
絆創膏の箱が空いている。これは新品なので、まだ一度も開けていないはずなんだけど。
「イタズラ小僧がイタズラしたかな…?」
小学校に上がったばかりの息子の顔が脳裏を過ぎった。ため息をついて、1枚絆創膏を取り出す。
「?」
だいきち
いいことあるよ!
出てきた絆創膏には、ぐにゃぐにゃの文字でそう書かれていた。
ふと気配を感じて後ろを向くと、入口のところでニコニコ笑っている息子の姿が。
「だいきち!よかったねぇ」
そう言って去って行く息子の手には、マジックが握られていて。
疑った事を内心で謝り、そして、「良いことあったなぁ」と、冷たいはずの手が暖かくなるのを感じた。
指先に痛みが走る。見ると、赤い筋が出来ていた。この時期の悩みの種だ。
「やだなぁ…」
どれだけ薬を塗っても、洗い物をする限り必ず指先が切れる。痛いなぁとぼやきながら、戸棚から絆創膏の箱を取り出した。
「…ん?」
絆創膏の箱が空いている。これは新品なので、まだ一度も開けていないはずなんだけど。
「イタズラ小僧がイタズラしたかな…?」
小学校に上がったばかりの息子の顔が脳裏を過ぎった。ため息をついて、1枚絆創膏を取り出す。
「?」
だいきち
いいことあるよ!
出てきた絆創膏には、ぐにゃぐにゃの文字でそう書かれていた。
ふと気配を感じて後ろを向くと、入口のところでニコニコ笑っている息子の姿が。
「だいきち!よかったねぇ」
そう言って去って行く息子の手には、マジックが握られていて。
疑った事を内心で謝り、そして、「良いことあったなぁ」と、冷たいはずの手が暖かくなるのを感じた。
その他
公開:21/12/21 11:01
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