憧れの学園と手紙

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おとぎ話に出てきそうな街並みの学園にある、フリースペースの一席を借りて、しばらくの間、私は頭を伏せていた。

お坊っちゃまやお嬢様が通うようなグレードの高い学園であるが、家柄不問の一般枠の受験に挑み、何とか受かった庶民育ちの私は通えることになった。

だが学園にも生徒にも馴染めず、授業にもついていけず、途方にくれる。

放課後毎日、1人残って復習や宿題、気になること、身につけたい習慣を詰め込もうと頑張っていたが、限界だった。

少しでもお嬢様な自分になりたかったが後悔しかけていた。ふと美術の授業で作った小さなポストを見つめる。

不器用ながらも、メルヘンチックに仕上がった家型。

手紙を入れると底に落ち、底が引き出し仕様になっていて、手紙が取り出せる。

……のだが、見知らぬ手紙が入っていた。

そこには「応援してます。頑張ってください。」とあった。

とても元気をもらえた瞬間だった。
青春
公開:21/12/21 01:02

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