メリーさん

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『私、メリーさん。今、貴方の家の前にいるの』
その電話に私は恐怖する。数日前から毎夜かかってくる電話。最初は悪戯と思っていた。
『私、メリーさん。今、リビングにいるの』
いつもなら1日1回の電話。今日は2回目がかかって来た。
これは悪戯なんかじゃない!メリーさんが家の中にいる!?
『私、メリーさん。ケータリング食べていい?』
3回目の電話。…どうぞ、と困惑しながら答えると『ありがとう』とお礼を言われた。

翌日、リビングに行くと食い荒らされたケータリングの残骸に息を飲む。
やっぱりメリーさんが来ていたんだ…その日から私はケータリングを用意し続けた。
片付けが面倒なのでロボット掃除機を購入し、リビングに設置した。
そうして1年も経つ頃にはメリーさんへの恐怖も失っていた。
だから油断して、夜中にリビングに入ってしまった…
『み~た~な~』
肥大化した人形が包丁を手にゆっくりと私を振り向いた。
ホラー
公開:21/12/17 20:26

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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