神無月眠理（かんなづきねむり）の事件簿

「私は眠る。二時間経ったら起こしてくれたまえ」

鮮やかな水色のショートヘアーにアーモンドアイの瞳をした少女は、そう言うと現場に持参したお気に入りの枕に頭を乗せて、その場で眠ってしまった。

「またですか……」
「ええ。眠理さんは、スリープモードに入りました。こうなればいくら起こしても起きる事はありません」
「なら二時間待って彼女の推理を待つか」
「えっ？えっ？な、なんですか。あの少女は？どうして殺人現場に少女がいるのですか！！そしてなぜ現場で寝る！？どこで寝てるんだ！！」
「君は神無月眠理に会うのは初めてか？」
「はい」
「彼女は睡眠探偵。眠りながら夢の中で事件の謎を整理して解く探偵だ」
「睡眠探偵……」

それから二時間が経過した。

「ふわぁあ……」
「おはよう。事件の謎は解けたか？」
「もちろん解けたさ。私に解けない謎はない。今すぐ関係者を集めたまえ。犯人はその中にいる」