時計と記憶

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今回、募集する小説のテーマは「時計と記憶」です。

私はそれを聞き、頭を抱えた。
このテーマは案外簡単そうに見えて難しい。
なぜなら、もし、このテーマが「時計の記憶」であったならば、比較的簡単に話を作れただろう。
時計を語り部にして、旅で色々な見聞きした記憶を辿ることができるからだ。
もしくは時計を見て第三者が記憶を辿る事も可能だろう。
だが、今回求められているのは「時計と記憶」である。
時計の話と記憶の話を別々に提示しつつ、なおかつ本来交わらないはずの平行線上の話を交錯させろと言っているのだ。さらに言えば「と」を使うからには「時計」と「記憶」は同等もしくは対比できるだけの価値がなければならない。
なんて作者泣かせのテーマにしたものだ。
はあ~、あえてつけ入るスキがあるとすれば「時計」と言う手に取れる物と「記憶」と言う手に取れない物に着目することぐらいだろうか。
出来るのだろうかそんな話。
公開:21/12/15 07:29
更新:21/12/15 07:37

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